会長挨拶

第40回日本脳神経血管内治療学会学術集会

会長 清末 一路

(熊本大学 生命科学研究部 画像診断・解析学 教授)

清末 一路

このたび第40回日本脳神経血管内治療学会学術集会(JSNET2024)を2024年11月21日(木)~23日(土)の3日間にわたり熊本で開催させていただきます。本会を主催させていただくことを大変光栄に存じております。この場をお借りして本学会の発展に尽力されてこられた諸先達の方々、ならびに全国の会員の皆様に厚く御礼申し上げます。

脳神経血管内治療はこの20年で著しく発展・普及し、いまや脳卒中の第一選択の治療法となり、脳動脈瘤や急性期脳梗塞などの多くの脳卒中疾患が、より簡便に比較的良好な成績で治療されるようになりました。その発展の主な原動力となったものとして、医療技術の進歩や治療手技の洗練化、病態や解剖に関する理解の深化など種々の要因が挙げられると思いますが、いずれにおいても“今を越える”という意識がその根底にあったものと考えます。このことから、今回の学術集会のテーマは、色々な意味を込めて「BEYOND」といたしました。

このテーマ「BEYOND」が包括するものは、脳血管内治療の対象となる様々な疾患において、既存の標準的治療手技の限界を越えてより進化した治療手技や、新しい発想に基づく新規デバイスの開発などのtechnicalなcutting edgeだけではありません。まだまだ解らないことの多い病態や病因・解剖などの基礎的な領域において、新しい治療手技や治療成績の向上に結び付く可能性のある新しい知見や、先達を越えて今よりもより良い治療成績を示していくために重要なことなど、脳神経血管内治療の更なる進化に必要と思われる様々な「BEYOND」について議論し、未来へつなげていくテーマである、とご理解いただければと思います。何よりも本集会が個々の会員の皆様にとって“今の自分”を越えていく契機となれば幸甚です。

今回は新たな教育の機会として、ポスター発表に教育展示部門を設けます。“新しい知見はないが、あまりよく知られていない脳神経血管内治療に関連するテクニックや治療法、病態、解剖、画像診断などに関するReview”を公募します。教育的に内容が優れた発表に対しては、表彰の形で称えさせていただく予定です。奮って演題をご登録いただければ幸いです。

また、前年度会長の佐藤 徹先生と同様にJSNET学術集会の伝統ともいうべき「白熱しながらも調和のとれた討論」は本会においても必須と考えております。社会情勢の許す限り、現地での参加をお願い申し上げます。

会場は熊本城からもほど近く、名勝水前寺成趣園も路面電車で20分以内の距離にあるので、集会の合間に散策していただくことも可能です。熊本は、馬刺し、赤牛、辛子レンコン、有明海の魚介類など美味しい郷土食にも恵まれていますので、夜は食を楽しんでいただければと思います。また、時間の許す方は、少し足を伸ばしていただければ、阿蘇や人吉、、天草をはじめとする様々な観光地もあります。

会員の皆様が「参加してよかった」と思っていただけるように精一杯準備してまいります。
皆様のご参加を心よりお待ちいたしております。

2024年2月吉日

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